シティリーグ2023シーズン1 参戦レポート ~アンチシナジーを添えたエレキガノン~

皆さんは、デッキ構築を組むときに、シナジーのよさ』を考慮すると思う。『シナジーが高い』ということは、安定性・攻撃性、大きく言えばデッキパワーが上がるからだ。

 

しかし、どんなデッキでも苦手デッキはあり、そのデッキに対してある程度のメタが必要である。今回は、あるデッキに勝てなさ過ぎて、アンチシナジーを承知で組んだメタデッキで戦いに臨む1人の男のお話である。

 

閑話休題

 

ということで、今回は、11月20日に王の洞窟Jr. 近鉄四日市駅前店で行われたシティリーグに参戦してきましたので、参戦レポート書いていこうと思います。

 

今回のキーポイントは、構築。

まずは今回握ったデッキをドン!

今回のデッキ名

『エレキガノン~アンチシナジーを添えて~』

 

クワガノンでパラライズボルトを打ちグッズロックをする、その際の足りない打点をレジエレキVMAXで補うというコンセプトです。

 

このデッキを選んだ背景は、今回自分がした環境予想で最も勝率が高くなるであろうと思ったからです。

 

自分が事前にしていた環境予想はこんな感じです。

Tier1: ルギアVSTAR、ミュウVMAX

Tier2: ギラティナVSTAR、レジギガス、ロストバレット、キュレムVMAX、ジュラルドンVMAX

Tier3: レジエレキVMAX、ムゲンダイナVMAX、ヒスイゾロアークVSTAR、オリジンパルキアVSTAR

 

この環境予想を見てみると(というか最近のデッキ全般に言えるんだけど)、グッズを止めてしまうと比較的止まるデッキが多いです。しかも、環境覇者のルギアVSTARに弱点をとれるということで、最強のデッキだと思えたのです。

 

が、、、

 

練習をしていくにつれてある事実に気づいたのです。

『ルギアVSTARに勝てねぇ!!!!!!』

そうなのです。このデッキは、ルギアVSTARに弱点をつけ有利かと思いきや、ルギアVSTARのデッキパワーがおかしすぎて、むしろ不利ぐらいにまで感じていました。

 

しかし、ルギアVSTARさえ乗り越えれば、他の環境デッキ(特に、ミュウVMAX、ロスト系)にはめっぽう強いと思いましたので、ルギアVSTARを乗り越えることを考えました。

 

ルギアVSTARを乗り越えるためのポイントは、以下にあると思います。

①そもそもアーケオスを出させない(ルギアVSTARに進化させない)

②特殊エネルギーを無効化する

③特殊エネルギーを破壊する

 

①に関しては、パラライズボルトが最速で後攻1ターン目でしか打てない関係上、どう頑張っても、相手は1ターン自由に動くことのできるターンがあります。この間にルギアVを置けて、アーケオスをトラッシュに置けていれば、あとはサポートでも何でもルギアVSTARを引き込み進化することで、アーケオスを倒すことが出来ます(しかも、構築上、クワガノンVかレジエレキVでスタートすることがほとんどなので、割とパラライズボルトを警戒して、アーケオスを落とすという動きをしてきます)。それに対しては、後攻1ターン目のグッズロックをあきらめ、先攻を取り2ターン目でマリィを打ちながらパラライズボルトを打ち、ルギアVSTARに進化させないことを目指しました。

 

もちろんこれだけではルギアVSTARは止まりません。オルガなんですわ、あいつは。というわけで次の②のポイントですね。特殊エネルギーを無効化することです。簡単にいうと、シンオウ神殿を採用することです。ルギアVSTARはスタジアムを破壊する技がありますが、シンオウ神殿が残っている状態で技を打たせれば220の火力しか出ませんので、タフネスマントを持ったクワガノンが1回技を耐えます。「1回ぐらい耐えても…」って思われるかもしれませんが、2回動けることがすごく大事なのです。ルギアVSTARにノコッチが採用されていたとしても、レジエレキVMAX2体立てていれば、パラライズボルトを打ち続けたまま、(素点50+トランジスタ30×2)×行動回数2=280を与え倒すことができ、サイドレース的にも多少抗うことが出来ます。

 

しかし、これだけではぜんぜん有利に進めることが出来ません。それはなぜかというと、ルギア側には、かがやくリザードンイベルタル(アメージングデス)・ライコウ(アメージングシュート)などの1枚しかサイドを取られないポケモンで戦うことが出来るからです。特にイベルタルは、技『アメージングデス』によって問答無用で気絶させられます。そこでポイント③の特殊エネルギーを破壊することを考えました。ルギアVSTARの場合、うねりの扇では山札に戻ってしまいますので、なんの意味もありません。叩き割る必要があるため、うねりの扇ではなく、クラッシュハンマーを投げ、気合でエネルギーを割ります。特に、オーロラエネルギーは最大4枚しか採用できないカードで、イベルタルに貼られたオーロラエネルギーを1枚でも叩き割れば多少は楽に戦えます。

 

ここまでで、ルギアに乗り越えるポイントを3つ挙げましたが、これらは必ずしもエレキガノンシナジーがあるとはいえません。いわゆるアンチシナジー、構築的に無理しているところがあります。具体的には次の3点です。

 

a)先攻想定の動きを押し付けることだけを考えると、後攻になった際に強い動きがなくなる。

b)スピード雷エネルギーとシンオウ神殿の相性が鬼ほど悪い。

c)クラッシュハンマーがターボ構築と相性が悪い。

 

a),b),c)はそれぞれ、ルギアVSTARを乗り越えるポイント①,②,③に対応します。

よくわからないところもあると思いますので、説明していきます。

 

a)に関しては、先攻をとり、2ターン目にマリィ+パラライズボルトを押し付けることが一番強いですが、それに寄せすぎてしまうと後攻になった場合や、1ターン目にクワガノンVに手張りが出来なかった場合、相手が準備完了する前にグッズロックを仕掛けるのが難しくなってしまいます(=強い動きが出来ないということになります)。これを解消するために、メロンと水エネルギーを採用し、1ターンでクワガノンVを起動できるようにしました。また、サポートの配分ですが、メロン4枚、マリィ3枚と、マリィのほうが少なくなっています。もちろん枠の都合があってのこの枚数ですが、マリィを打てないことよりもパラライズボルトを打てないほうが弱いと考え、メロンを多く採用しました。

 

b)に関しては、そもそも特殊エネルギーの効果を消すわけですから、当たり前といえば当たり前です。しかし、パラライズボルトを早めのターンで決めるためには、序盤でたくさんカードを引き、パーツを集めるのが大事だと考えました。そのため、スピード雷エネルギー3枚に加え、基本エネルギーを通常のエレキガノンよりも多めの4枚採用しました。シンオウ神殿を1枚にとどめてスピード雷エネルギー4枚採用することも考えましたが、ルギアVSTARに対しては2回シンオウ神殿を押し付けたい試合が多かったため、このような採用枚数にしました。

 

c)に関して。このデッキは『グッズロックを早いターンで決め、相手の動きを止める』ことをコンセプトにしています。このコンセプトを実現しやすくしたのが、ポケストップやトレッキングシューズ、バトルVIPパスなどの『回すためのカード』を多く採用したいわゆるターボ型の構築で、ほとんどのエレキガノンはこの形をとっております。これに対し、クラッシュハンマーはポケストップとは相性がいいものの、『回すためのカード』ではないため、ターボ型とはアンチシナジーです。そのため、ほんとは4枚入れて絶対に特殊エネルギーを叩き割るマンになりたかったところをぐっと抑え、調整して3枚に抑えました。

 

こうして出来上がったのが、今回使用したデッキとなっています。

 

『ここまでやったらルギアVSTARは余裕のよっちゃん、お茶の子さいさいじゃないの?』と思われるかもしれません。そんなわけありません。ルギアVSTARのデッキパワーと構築の自由度が高すぎて、ここまでやって、やっと五分かなというところです。なのでできればルギアVSTARに当たりたくないとは思っていましたが、そんなん今の環境無理なので、基本アンチシナジーを嫌う僕でしたが、ここまでのカードをつぎ込むことを決意しました。

 

そして、当日の結果ですが、以下の通りです。

 

予選

・1回戦 VS.ムゲンダイナVMAX 6-4 勝利

・2回戦 VS.オリジンパルキアVSTAR 5-0 勝利

・3回戦 VS.ルギアVSTAR 6-4 勝利

・4回戦 VS.ルギアVSTAR 0-6 敗北

3勝1敗 3位/28人中

 

決勝トーナメント

・準々決勝 VS.ルギアVSTAR 6-0 勝利

・決勝 VS.ルギアVSTAR 0-6 敗北

 

終結果 ベスト4

 

なんと、決勝トーナメントまで残り、ベスト4(自己新記録)を出すことが出来ました!非常にいい成績をたたき出すことが出来、すごくうれしく思っております。

 

その反面、実は敗北した試合はどちらも同じ方でした。同じ人に二度負けてしまうのが自分の中で悔しく、また準決勝の反対側の山がロストバレットVS.オリジンパルキアVSTARであり、どちらが勝っても自分が勝てば有利対面となるため、準決勝を乗り越えたらもしかしたら…って正直思いました。まだ優勝までの壁は厚かったということで、この悔しさをばねにシーズン2も頑張っていこうと思います。

 

ちなみに。自分が準決勝で負けたお相手が優勝されていましたので、『実質準優勝だもん。ふふん。』って負け惜しみを言っておこうと思います。そのくらいめちゃくちゃ悔しくて悔しくて夜しか眠れないんですわ。

 

最後に、大会運営をしていただいた王の洞窟Jr.の店員並びにジャッジの方、対戦していただいた皆さん、そもそも抽選を通してくれましたポケモンカード公式の抽選機能、そしてなによりデッキ調整を付き合ってくれたり叱咤激励をしてくれました東海ポケカ部の皆さん、この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

p.s. このデッキを調整する際に、被害者にしてしまったANZU、マジですまん。